シリーズその③ 「経営者に考えて欲しい「公」と「私」」 第2話 「会社経営におけるハラスメント」
- ritsu_dragon

- 2024年7月3日
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読者の皆さん、こんにちは。
株式会社ユナイテッドの藤田です。
こちらのブログでは、私が公認会計士及び経営者として経験した事例をもとに、日本の企業をもう一度輝かせるためのさまざまな考察や提案を配信していこうと考えています。
シリーズその①では、課題解決の入り口として、壁打ちコンサルについてご紹介しました。
シリーズその②では、「人材開発」を取り上げ、カウンセリングについてご紹介しました。
そしてシリーズその③では、企業経営において私がとても大事にしている「公」と「私」について解説したいと思います。
第2話は、「会社経営におけるハラスメント」というテーマで、なぜハラスメントが起きるのかとその対応策についてお伝えします。
ハラスメントと言語化の功績
「セクシャル・ハラスメント(セクハラ)」という言葉を作った人は、その言語化により社会にものすごく貢献したと思います。それまでは、給湯室でおしりを触られた、書類を渡す際に手を握られた、飲み会の席でお酌をさせられた、しつこくデートに誘われたなど、何かあった場合にその都度状況を細かく説明しても、結局は「コミュニケーションの一環だよ」や、ひどい場合には「君が寂しそうだったから」などと言われてオシマイというのが一般的でした。「セクハラ」という言葉ができて、細かく説明しなくても性的冒涜への非難や、社会的制裁の要求などがその語感に含まれたおかげで、上記のような昭和オジサンあるあるのような事例は大きく減ったのではないでしょうか。
その後も、「パワハラ」、「アカハラ」、「マタハラ」、「オワハラ」、「カスハラ」など、どんどんと新しい造語が生まれて、「○○ハラ」は他人の行動に警鐘を鳴らすための共通語となりました。「ハラスメント」とは「人の嫌がることをする」という意味ですから、「○○ハラ」は他人の立場を尊重する社会の形成に一定の貢献を果たしたと言えます。
言語化の副作用
とはいえ、何ごとも行き過ぎは良くないもので、この「○○ハラ」も「言ったもん勝ち」の様相を呈するようになってきました。例えば「オワハラ」ですが、これは就職活動をしていて内定をもらった学生が、就職活動を終了して欲しいと会社から強要されることを意味します。就職活動は学生の権利ですので、これを強制的に阻害されれば立派なハラスメントになります。ですが採用企業の側にとって、「貴社が第1希望です」と言っていた学生が、実は複数内定をもらっていて土壇場で辞退されるなど、目も当てられないようなひどい目に遭うこともあるのです。採用活動をしている企業は、会社の将来を託すための人材を真剣に探していて、そこには多大なコストと時間がかかっています。企業が学生に嫌がらせをしてはいけないのと同時に、学生も企業の立場を理解して節度のある対応が求められます。
またセクハラに次いで流行した「パワハラ」ですが、これも体育会系暴力オヤジの駆逐に多大なる効果があった反面、通常の指導に対してもパワハラを連発する部下が出現して、どちらの言い分が正しいのか会社も判断がつかないといった困った事例に遭遇することがあります。
言語化というのはとても便利なのですが、本来の定義から逸脱した事例までごちゃ混ぜにしてしまうことで、その言葉が持つ威力が半減するのです。オワハラにせよパワハラにせよ、その言葉を使う人の社会性や節度や品位が問われていることを、忘れてはいけません。
ハラスメントと「公」
では、ハラスメントという言葉を正しく使い、会社経営が円滑に進むにはどうすればいいでしょうか。その疑問を解くカギは、「公」にあります。
セクハラは、会社という「公」の場において、私的な性的興味を優先するから起こります。パワハラは、会社(公)の代弁者として部下を指導する立場にある人が、私的な怒りを持ち込むから起こります。つまり、「公」と「私」がきちんと区別できない人が、ハラスメントの加害者となってしまうのだと思います。
会社に素敵な女性がいて気になるのであれば、仕事を離れた場所にプライベートでお誘いしてください。それで断られたら、しつこく誘わずに諦めてください。ましてや会社の飲み会で、お酒の上での無礼講なんてものは許されません。
また部下が問題を起こして強い指導が必要な場合は、会社の立場でなぜそれが問題なのかを説明してください。会社で問題が起こった時に、被害を受けるのは会社自身であって上司ではありません。上司が必要以上に感情を出すと、それは個人的な怒りだと受け止められても仕方がないのです。
あと1点注意が必要なのは、時代の変化によって、「公」のルールが変わっていくことです。例えばセクハラの場合、昭和の時代にさかのぼると、モーレツ男性社員がわき目もふらずに仕事をして、私的な時間が限られていたという事情がありました。また女性の側も、職場でお相手を見つけて結婚して専業主婦になることが、「寿退社」と呼ばれて一般的な時代でした。つまり、社内恋愛という選択肢が社会的に認知されていたのです。現在は生活様式が多様化し、ワークライフバランスを重視し、個人の生き方を尊重する社会になりました。女性の側も共働きが定着し、男女平等の考えの中でキャリアを積むことが当たり前になっています。これは、社会の変化に合わせて会社(公)が姿を変えたことを意味します。このような時代の変化に対して、会社(公)が変わったのだから自分(私)も変わろうという敏感さが必要なのです。セクハラにせよパワハラにせよ、懲戒処分や警察沙汰につながりかねない重大事案です。実際、大手上場企業の社長が、セクハラを理由に辞任に追い込まれる時代になりました。ハラスメントの代償はそこまで大きいのだと自覚して、会社(公)も従業員(私)も経営者(私)も変わっていく必要があります。
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