top of page

シリーズその③ 「経営者に考えて欲しい「公」と「私」」 第6話 「まとめ」

読者の皆さん、こんにちは。

株式会社ユナイテッドの藤田です。

こちらのブログでは、私が公認会計士及び経営者として経験した事例をもとに、日本の企業をもう一度輝かせるためのさまざまな考察や提案を配信していこうと考えています。

シリーズその①では、課題解決の入り口として、壁打ちコンサルについてご紹介しました。

シリーズその②では、「人材開発」を取り上げ、カウンセリングについてご紹介しました。

そしてシリーズその③では、企業経営において私がとても大事にしている「公」と「私」について解説したいと思います。

第6話は最終話となりますが、これまでのお話しを総括し、「まとめ」としてお伝えしたいと思います。


考え方次第で、多様性が高まり懐が広がる

これまでの解説の中で、私がお伝えしてきたことをまとめると、以下の3点に集約されます。

・社会が高度化すればするほど、「公」の持つ役割は高くなる

・しかし現実は、社会の複雑化多様化に応じて「私」が優先されることが多い

・狭い視野で「私」の幸福を追い求めると、むしろ不幸な結果を招くことが多い

幸福とはだれもが追い求めるもので、好きこのんで不幸を目指す人はいません。ですが、目の前にある幸福らしきものを追い求めるうちに、いつの間にか不幸になったという事例を私はたくさん見てきました。

ここで読者の皆さんに、そうならないための発想転換をご提案したいと思います。それに名前をつけるなら、「回りくどい利己心」とでも呼んでおきましょう。

「私」が大切であるならまず「公」から

まずは、「回りくどい利己心」の分かりやすい例として、以前シリーズで解説したカウンセリングの話をしましょう。想像していただきたいのですが、カウンセリングはそもそも誰の幸せのためにやると思いますか?

カウンセリー(部下)のため?、会社のため?、それとも自分(上司)のため?

答えは、全部正解です。ただし、全部正解とするためには、順番を厳守する必要があります。①カウンセリー(部下)、②会社、③自分(上司)という順番です。これが狂うと、誰も幸せにはなれません。「回りくどい利己心」とは、最終的に自分の幸福を目指しながら(利己心)、直接ではなくまず他者の幸福(利他)を目指し、結果として自分の幸福に跳ね返るという考え方です。

ではなぜ、このような回りくどい考え方が必要なのでしょうか。それは、この三者がもれなく幸福になるためには、まずカウンセリングが成功しなければならないからです。カウンセリングの成果によりカウンセリーの能力がアップし、その優秀な人材の活躍により会社の業績が向上し、その結果自分が評価されて幸福になるという厳然たる順序があり、それ以外で三者がともに幸福になることはないのです。だからこそ、まずは利己心を捨てて利他(カウンセリー)を優先させる必要があります。そしてそのためには、カウンセリーにとってカウンセラーが会社(公)の代弁者でなければならないので、シリーズ解説で説明した「親でもなければ兄弟でもない」という立ち位置を取ることが必要なのです。

この、「回りくどい利己心」こそ、「公」の精神が発揮された1つの形態になります。人間は、高度に複雑化された社会で生活しているからこそ、その社会(公)を意識しないと真の幸福は得られません。民主主義国家において、個人の自由と尊厳(私)が保証されている社会であるからこそ、それを保証している社会(公)を大事にしないと、我々が享受している「私」は足元から崩れるのです。

経営者は、いつまでも「ワシの会社」でいいのか?

6月は上場会社の株主総会が集中して行われるシーズンですが、トヨタ自動車の株主総会で、豊田会長の院政と道楽について質問が出ていました。院政とは、表面的には社長に任せているように見せて、実質は会長が裏で実権を握っているのではないかという意味の質問です。また道楽とは、会長自身がレースに没頭して、トヨタイムズなどの形で情報発信している姿が、会社を私物化した道楽ではないかという意味の質問です。私はそれに対する豊田会長の回答も拝見しましたが、論旨は通っているものの全員を納得させることはできないと感じました。なぜなら、トヨタ自動車ほどの超大企業になれば、会長本人がどう思っていても、周囲が色々忖度した結果、全体としてその思いから乖離してしまうことが多いからです。それでも言えることは、創業家出身の会長にそういう質問が飛ぶこと自体、ガバナンスが効いていることの証明だと思います。日本最大の株式会社の創業家会長が、株主からヤイヤイ言われ、ニュースとして報道されて評論家のネタになっているのです。つまり、豊田会長にとってトヨタ自動車は「ワシの会社」ではないと言えます。

非上場の中小企業や、スタンダード上場の中堅企業では、まだまだガバナンスに多くの課題を抱えていて、「ワシの会社」になっている事例が多く見られます。ですがそのような中小企業は、トヨタ自動車のようにガバナンスで騒がれることもない代わりに、気がつかないうちに潰れてしまう可能性もあります。誰からも指摘や非難を受けない立場であるからこそ、中小企業の経営者には自分で自分を律する「公」の精神が求められるのです。


すみません、本日も途中で紙数が尽きてしまいました。

明日は、「公」を体現したお手本として、幕末から明治に活躍した3人の偉人をご紹介して、このシリーズの結びとしたいと思います。




 
 
 

最新記事

すべて表示
シリーズその④ 「PMI体験記」第15話「DX導入準備 その②」

読者の皆さん、こんにちは。 株式会社ユナイテッドの藤田です。 こちらのブログでは、私が公認会計士及び経営者として経験した事例をもとに、日本の企業をもう一度輝かせるためのさまざまな考察や提案を配信していこうと考えています。...

 
 
 
シリーズその④ 「PMI体験記」第14話「DX導入準備 その①」

読者の皆さん、こんにちは。 株式会社ユナイテッドの藤田です。 こちらのブログでは、私が公認会計士及び経営者として経験した事例をもとに、日本の企業をもう一度輝かせるためのさまざまな考察や提案を配信していこうと考えています。...

 
 
 

コメント


  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

©2022 by 株式会社ユナイテッド

bottom of page