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シリーズその④ 「PMI体験記」第6話「検出された事項 その②」

読者の皆さん、こんにちは。

株式会社ユナイテッドの藤田です。

こちらのブログでは、私が公認会計士及び経営者として経験した事例をもとに、日本の企業をもう一度輝かせるためのさまざまな考察や提案を配信していこうと考えています。

シリーズその①では、課題解決の入り口として、壁打ちコンサルについてご紹介しました。

シリーズその②では、「人材開発」を取り上げ、カウンセリングについてご紹介しました。

シリーズその③では、「公」と「私」について私の考えをご紹介しました。

そしてシリーズその④では、「PMI体験記」をお送りしたいと思います。

本日は第6話として、個別面談によって得られた事項を「検出された事項 その②」としてお伝えします。


市場の状況について

前稿ではS社の業務内容について解説しましたが、その他にも重要な情報がありました。それは、社内ではなく同業他社の状況です。

同業他社とはいっても色んな会社があり、どんなモーターに修理対応できるのかは千差万別です。交流はできるけど直流は電気設備がないので無理、クレーンが何tまでしか吊れない、コイル巻き替えはできない、溶射加工はできない、バランス調整はできない、などの事情を各社が抱えています。つまり、同業他社とはいいながら純粋なライバルではなく、自社で出来ない修理依頼に対しては仕事をお互いにあっせんする、いわば持ちつ持たれつの関係なのです。S社においても、大量の修理依頼が来て、受けきれない時に協力してくれる会社や、モーターが巨大すぎて、S社では受けられないサイズを受けてくれる会社や、営業力はあるが技術力がないため、難しい修理案件をS社に紹介してくれる会社など、競合ではなく協業している会社が何社かありました。また、話を聞く限りでは、同じ商圏にS社と全く同じ事業領域の同業他社はおらず、類似している会社も上述の通り協業関係の会社だけでしたので、本当の意味での競合相手は、いないと言っても差し支えない状況でした。

ただし、協業していて仕事の奪い合いがない、むしろお互いに紹介し合っているから安定売上につながっているとはいえ、手放しで喜べる訳ではありません。あくまで紹介は紹介ですので、紹介者が10%程度のマージンを取りますし、そもそもオイシイ仕事は自社でやりますので、回ってくる仕事の多くは値段が安いとか、手間や時間がかかるとか、納期が厳しいとか、難しい事情があることが当たり前でした。また、大手メーカーからお付き合いの一環として低マージンの仕事を受けていましたが、これはS社が人材投資をさせられて(リスク高)、なのに受注価格は低くて(不採算)、注文数も安定せず(余剰人材)、技術的に低レベル(S社の強み発揮できない)という、問題案件になっていました。この問題は、S社が営業担当(新規顧客の獲得担当)を置かなかった(受注担当者しかいなかった)ことに起因していました。

例えば自社案件が60%、紹介案件が30%、大手のお付き合い案件が10%だとした場合、不採算なお付き合い案件や利益率の低い紹介案件を取るよりも、会社の強みを生かせる自社案件を100%にすれば、当然のように利益は上がります。ですが営業担当がいて、自分で案件を取ってこない限り、紹介案件やお付き合い案件をある程度頼りにしなければならないのです。先に述べた通り、同じ商圏に本当の意味での競合他社はないのですから、マーケットを取られる心配をする必要はありません。なので守る必要はないし、攻めてもリスクはないな、と私は思いました。このような事情で私はマーケティングをこの会社に導入するのですが、その解説は後日に譲ります。

社内事情について

会社の業務や、同業他社の状況についても多くの知識を得ましたが、社内のセンシティブな情報についても多くを知ることになりました。社員は多くがいい人ばかりで、仕事ぶりもまじめで技術的にも研鑽を積んでいたのですが、やっぱり個性は人それぞれで、しかも年齢が近いせいか感情的な対立を起こすこともありました。

こういった情報は、聞いている側の私がしっかり行司役をつとめないと、大変なことになります。つまり、このような話は告げ口や中傷という形でもたらされる情報なので、あくまで一方の個人的見解に過ぎないということです。片方の言い分だけで安易な解決に走ると、とんでもない落とし穴が待っていることがあります。

まず、私は誰の味方もしませんという宣言をしました。その上で、あえて味方を挙げるなら会社なんだと説明します。つまり「公」の立場を明確にするのです。そうなると自然に、会社にとっての最善策が解決策だという図式が成り立ちます。

話の中身は、ごくつまらないことが多いです。なので、「会社にとって困ることはしないように」、「お互いが持つ多様な個性を相互理解しなさい」という2つのキーワードでほとんどの問題は解決します。それでも中には、水と油のように相性が悪すぎて、部署を変更しないとどうにもならない場合や、パワハラ、セクハラのように、会社が積極的に退治しなければさらに悪化する問題もあります。パワハラへの具体的対処についても、解説は後日に譲ります。

また、個人的な悩みを抱えている人の相談を受けることもあります。以前、カウンセリングを解説したシリーズで、プライバシーに関する話は原則関与しないとしながらも、微妙に関係するケースもあると説明しました。それは、社員の私的事情が会社の業務に影響する場合です。親御さんの介護で大変という話を聞けば、病院の送り迎えに支障がないようなシフトを組んであげるとか、奥さんと離婚しそうで子供を引き取るという話を聞けば、お子さんに合わせて休暇を取れるように配慮するとか、そういった対応をします。決してその人を優遇するというのではなく、あくまで他の社員と平等に扱いながら、別のところ(休日出勤や深夜残業など)で穴埋めをしてもらうことで、バランスを取るようにしていました。


 
 
 

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