top of page

シリーズその② 「カウンセリングのススメ」 第3話 「非財務資産としての人材~その①」

読者の皆さん、こんにちは。

株式会社ユナイテッドの藤田です。

こちらのブログでは、私が公認会計士及び経営者として経験した事例をもとに、日本の企業をもう一度輝かせるためのさまざまな考察や提案を配信していこうと考えています。


シリーズその①では、課題解決の入り口として、壁打ちコンサルについてご紹介しました。

シリーズその②では、どの会社にもほぼ共通した課題で、なおかつ改善の効果が最も出やすい領域として「人材開発」を取り上げ、「カウンセリングのススメ」というタイトルで解説したいと思います。

第3話は、「非財務資産としての人材~その①」についてお伝えします。

人材が非財務資産となる条件

まず注意が必要なのは、非財務資産は概念的なものであって、貨幣価値で計測できるものではないということです。第1話でご説明した情報資産も、「当社の情報資産は〇億円」などのように貨幣価値では測定できません。その評価は、会社に存在するデータをどこまで網羅しているか、外部データを含めどれだけ情報連携しているか、その結果新たな売上やビジネスにどれだけ貢献しているのか、それぞれに指標を設定して評価することになります。

では、人材が非財務資産として価値を持つためには、何が必要なのでしょうか。

資産としての価値判断基準

人材が会社の資産であるためには、会社としての価値判断基準が必要です。モノサシもないのに、価値を認識することはできません。つまり、会社がどんな人材を必要としているのかを定める必要があります。

・現場の作業者としてのスキル

・取引先との人間関係や交渉術

・デスクワークを早く正確に処理する能力

・部下を指導したり、組織をまとめる能力

・新技術を開発したり、新規ビジネスを立ち上げる能力

・組織の進むべき方向性について構想を立案し、提言できる能力

細かく挙げるときりがありませんが、概略的に会社が必要としている能力はこんなイメージではないかと思います。そして、どんなタイプの人材がどれだけ必要であるかは、その会社の事業目的によって異なります。外資系の販売会社であれば、営業マンとその管理者で構成される会社になりますし、ITベンダーであれば、アプリの開発部隊と、それを売る営業部隊と、受注した案件の実装部隊が中心の会社になります。それぞれの会社ごとに異なるのはもちろんのこと、同じ社内でも職能によって求められる能力は異なります。

ここで注意が必要なのは、会社が必要とする人材の価値判断基準と、従業員の人事評価基準は同じではないということです。例えば、ある営業マンが10億円の売上を達成したという事実は、人事評価の対象にはなりますが、同じ視点で人材開発は評価しません。

10億円の実績は実績として、達成ボーナスなど人事評価の対象になることは問題ありません。しかし、これが単なるマグレであったり、上司の手厚いフォローのたまものであったり、その従業員の能力に起因しない可能性があるため、人材としてレベルアップしたかどうか(人材開発)は、別の視点で評価すべきなのです。今回の事例で言えば単なる実績ではなく、その実績を達成するための商品知識や顧客への説明資料作り、プレゼンでの堂々とした振る舞いなどが、彼の能力がどこまで伸びたか(人材開発)を評価する基準となります。

スキルとコンピテンシー

会社にとって必要な能力を測る指標として、スキルとコンピテンシーがあります。

スキルとは、技能(技術的な能力)のことですが、狭義の意味では「訓練や学習によって培われた高度な能力」を指します。ここでは広義の意味で、身体的能力を駆使する技術・能力の他、いわゆるコミュニケーション能力や知識や教養なども含めた概念で考えてください。

コンピテンシーとは、特定の職務で高い成果を上げる個人が示す行動特性を指します。これだけでは何のことかわからないと思いますが、スキルでは測れない能力だと思ってください。例えばスキルが同等の2人がいて、片方はうまく仕事をこなすけれども、もう片方はなぜかうまく行かないことがあります。これは、単に技能や知識ではなく、行動の背後にある価値観、思考パターン、性格などの深層部分が影響していると考えられていて、それが行動特性として現れたものがコンピテンシーなのです。

評価指標とカウンセリング

製造メーカーなど、社員のスキルが会社の価値に直結するケースでは、スキルマップを作成して技術力の向上を図ることで、人材の資産価値を上げるようにしてください。会社が必要とする技術を分類し、技術レベルをランク分けして、従業員個々人の達成度を測定します。カウンセリングの場では、「技術Aはランク4から3に上がったけど、技術Bは昨年と同じランク3のままだから、もうちょっと頑張ろうか」などのように使います。

私がいた監査法人では、コンピテンシーを使ったカウンセリング制度がありました。会計士は専門家商売なので、スキルももちろん大事なのですが、「スキルは持っているのが当然」という風潮があり、それよりもそのスキルをうまく使うための行動特性に重点が置かれていたのだと思います。監査法人はスタッフ、シニア、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーという順で職階が定められているのですが、「シニアだったら上司(マネージャー)に報・連・相ができていますか」とか、「マネージャーだったらクライアントと礼儀正しく交渉していますか」などのように、それぞれの職階で求められる行動特性(コンピテンシー)を達成しているかどうかを評価しながら、カウンセリングが行われていました。




 
 
 

最新記事

すべて表示
シリーズその④ 「PMI体験記」第15話「DX導入準備 その②」

読者の皆さん、こんにちは。 株式会社ユナイテッドの藤田です。 こちらのブログでは、私が公認会計士及び経営者として経験した事例をもとに、日本の企業をもう一度輝かせるためのさまざまな考察や提案を配信していこうと考えています。...

 
 
 
シリーズその④ 「PMI体験記」第14話「DX導入準備 その①」

読者の皆さん、こんにちは。 株式会社ユナイテッドの藤田です。 こちらのブログでは、私が公認会計士及び経営者として経験した事例をもとに、日本の企業をもう一度輝かせるためのさまざまな考察や提案を配信していこうと考えています。...

 
 
 

コメント


  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

©2022 by 株式会社ユナイテッド

bottom of page