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シリーズその① 「経営者のパートナー」壁打ちコンサルのススメ 第5話 「正しく使おう壁打ちコンサル」

読者の皆さん、こんにちは。

株式会社ユナイテッドの藤田です。

こちらのブログでは、私が公認会計士及び経営者として経験した事例をもとに、日本の企業をもう一度輝かせるためのさまざまな考察や提案を配信していこうと考えています。


まずはシリーズその① 「経営者のパートナー」壁打ちコンサルのススメについて配信したいと思います。本日は第5話「正しく使おう壁打ちコンサル」についてお伝えします。


正しく使うために

これまでに4回にわたって壁打ちコンサルのご紹介を進めてきましたので、読者の皆さんにとって、内容についてのご理解はだいぶ進んだのではないかと思います。ですが、これですぐ実行に移せるかといえば、まだ使い方について不安を感じる方が多いのではないでしょうか。

本稿では、壁打ちコンサルを正しく使うためのコツをお伝えしたいと思います。

依頼するタイミング

壁打ちコンサルに依頼する時期ですが、経営者の中に悩みが生まれ、単独では解決が難しいと思った時がそのタイミングです。早ければ早い方がいいとは言いません。ここは経営者の直感で判断してください。

前稿でも解説しましたが、壁打ちコンサルはタイミングがとても大事です。早い段階であれば時間をかけた解決方法が取れますので、選択の幅が広がりますし、コスト的にも安く済む場合が多いです。ちょっと体調を崩した時に、すぐにでも相談できるかかりつけ医の感覚と同じで、軽い風邪や未病の段階で対処することで身体を健康に保つことができます。

第1話で紹介した私の友人(今後はN氏と呼びます)ですが、何か疑問や不安があればすぐ私に相談して解決策を講じますので、バブル崩壊もコロナ禍も乗り越えてずっと健全経営を保っています。問題を放置すれば病巣が広がって、大きな外科的手術(専門コンサルへの依頼など)が必要になりますが、N氏には現実を直視するリアリズムと困難に立ち向かうストイックさがあるので、今の安定した業績につながっているのだと思います。

コンサルを安く使うコツ

コンサルへの依頼を検討する場合、費用対効果は最も大切な検討要素です。

これは会社規模にも依存しており、例えば人事制度改革を専門コンサルに依頼する場合、従業員1万人の会社と10人の会社では、コンサルタントに支払える金額に大きな差があるのは当然です。そもそも従業員10人であれば、人事コンサルを雇っても費用対効果が出るとは思えません。ではそのような会社はどうすればいいのでしょうか。

私が相談を受けた場合は、「下流のスペシャリスト(専門コンサル)」よりも「上流のゼネラリスト(壁打ちコンサル)」をお勧めすることにしています。これは、上記の従業員1万人の会社でも10人の会社でも一緒です。

その理由は第1に、上流で早めに把握した課題だと、簡単なものであればすぐに自社で解決できる(下流で専門コンサルに依頼する必要がない)からです。先ほどの友人N氏の会社も、課題認識が早いから自社で調査する余裕があり、無理なく対応する時間があるから外部を頼らず自前で解決できるのです。

また第2に、自社で対応することで従業員の経験値が上がるからです。私がお会いした経営者の中には、自社の従業員の能力を低く評価(謙遜も含めて)する方がいましたが、実のところは社内で経験値を上げる機会がなかっただけではないかと私は思います。スキルアップの研修を受講させるよりも、実務でついた経験の方が本物です。

そして第3に、自社で解決できない大きな課題で、専門コンサルに依頼する場合であっても、報酬をかなり絞ることができるからです。一般的に、自社の課題をきちんと把握・分析できていないお客様からの依頼は、どうしても報酬が高くなってしまいます。専門コンサルを板前に例えるなら、鱗も内臓も取っていない尾頭付きの魚から調理するのと、三枚におろして皮を引いてサクになった切り身から調理するのであれば、当然時間もお金も変わるのと同じです。

つかず離れずの「かかりつけ医」

一度依頼した壁打ちコンサルをいつまで継続するか、という点についてですが、壁打ちすべき論点がない時期はいったん中断しましょう。会社の課題は一見山積しているようでも、今すぐに解決できない課題や、何か別の課題が解決しないと着手出来ない課題もあります。そういった、いま取り組むべき課題がない状況であれば、壁打ちコンサルはいったん中断しても構いません。お医者さんに、「これでいったん様子を見ましょう、痛みが出るようならまた来てください」と言われることがありますが、あれと同じです。

契約が途切れてしまうのが不安であれば、少額の顧問契約などで継続するのも一案かと思いますが、かかりつけ医と同じ感覚で、つかず離れずの気楽な関係の壁打ちコンサルを見つけてください。

私が壁打ちコンサルをお勧めしているのは、コンサルに無駄なコストを払っている会社を今まで多数見て来たからです。それを回避するためのポイントは2つで、上流で壁打ちをきちんとやって論点を整理することと、自社でやるべきことを区分して下流で専門コンサルに依頼する業務内容を絞り込むこと、この2点に尽きると思います。




 
 
 

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