シリーズその① 壁打ちコンサルのススメ 第6話「壁打ちコンサルで達成したいこと」
- ritsu_dragon

- 2024年6月18日
- 読了時間: 1分
読者の皆さん、こんにちは。
株式会社ユナイテッドの藤田です。
こちらのブログでは、私が公認会計士及び経営者として経験した事例をもとに、日本の企業をもう一度輝かせるためのさまざまな考察や提案を配信していこうと考えています。
まずはシリーズその① 「経営者のパートナー」壁打ちコンサルのススメについて配信したいと思います。本日は最終話となりますので、ちょっと私の個人的な願望のご披露で恐縮ですが、「壁打ちコンサルで達成したいこと」についてお伝えします。
「事業再構築」によって、日本の企業をもう一度輝かせたい
これは、私が代表を務める株式会社ユナイテッドの創業理念です。
公認会計士として28年、事業会社の経営者として6年の経験を経て、今までお世話になった日本社会への恩返しも含め、自分の残った仕事人生を何に捧げようか、ずいぶんと考えました。色々と考えた挙句、日本の企業をもう一度元気にすることを目標に、自分の持てる力をすべてつぎ込める総合サービスを世に出したいと思いました。これが、「事業再構築」にたどり着いた経緯です。
「事業再構築」とは、文字通り会社の事業を根本的に見直すことで、競争力を取り戻す取り組みです。どうやって取り戻すかは、その会社が置かれた状況によって千差万別です。千差万別なので、型にはめて解決するソリューション提供型のコンサルでは対応できません。そこで、「事業再構築」の入り口として、経営者と事業のあり方について本気で向き合う「壁打ちコンサル」というプロセスを介することにしました。
日本企業に対する思い
私は1967年生まれで、幼少期には高度経済成長の熱気がまだ残っており、学生時代はバブル絶頂の狂乱の中で過ごしました。その後バブルが崩壊して、「失われた30年」などと言われるようになりましたが、日本経済は現在に至るまで復活したとは言えない状況が続いています。その原因は、バブルの後始末に始まって、日米自動車摩擦や日米半導体摩擦、中国・韓国・台湾の経済的台頭、数度に渡る震災被害など、後から思えば失策と不運の連続であったと振り返っています。ただ不運は仕方がないとは思いますが、失策に関しては完全に自己責任です。
いつの間にか日本国民は、負けた原因から目をそらし、次に勝つための算段よりも現在の敗戦の責任転嫁を優先する民族になってしまいました。現実を直視するリアリズムが薄れ、負った傷のナマナマしさを隠すために空疎な観念論がもっともらしく語られました。いつから日本人はこんな負け犬根性がついたのでしょうか?また、いつまで評論家的態度、部外者的態度を取り続けるのでしょうか?
政治が悪いとか、日本経済の構造的問題だとか、現実から目を背けるための言い訳はいくらでも出てきますが、誰かのせいにするのではなく、いま自分の目の前にある課題を解決して、自分の会社とその従業員及び家族が幸せになれるよう努力する。これは、私を含め誰にでもできることだと思っています。
「日本人らしい」とは?
読者の皆さんは、「日本人らしい」と言われてどんなことを想像しますか?
一般的には、誠実とか勤勉とか正直とか優秀とか、おおむね誉め言葉が多く、部分的に愚直とかお人よしといったニュアンスが混じることがあります。
私は、司馬遼太郎氏の著作を愛読しています。「竜馬がゆく」「坂の上の雲」のような歴史小説もさることながら、「この国のかたち」や「風塵抄」などのエッセイから多くのことを学びました。最近ブログを執筆するようになり、心の師である司馬氏の著作をまた読み返しているのですが、氏が言わんとする日本民族が世界に誇るべき資質は、高度に発達した「公」の概念と、「練度の高い正直さ」の2点であろうと考えています(あくまで司馬ファンとしての私見です)。文化人類学的にはどうあれ、私はビジネス的観点から日本人の美的資質をこのように見ています。ここでいう「公」には、私企業である株式会社も含まれていて、昔であれば○○藩や村落、現在であれば日本国や自治体や株式会社など、社会の公器という概念です。ただ残念ながら、この資質を最も色濃く持っていたのは明治維新から日露戦争終結までの日本人であり、その高貴な精神性は、現在ほとんど失われてしまったと言えるでしょう。
日本人が取り戻したい美点
司馬文学の話を始めると止まらなくなってしまうので、詳しくは別の稿に譲りますが、ともかく明治維新という無血革命が成功したのも、安政の不平等条約を改正できたのも、富国強兵という突貫工事をやり通せたのも、日露戦争でロシアの脅威を退けたのも、幕末から明治に生きた日本人の資質がもたらした多大なる功績です。では、今の時代に現代日本人は何を後世に残すべきでしょうか?
私は、消えかけた火種に木炭を足してあおぐように、かつて日本人が持っていた美しい資質にもう一度点火することで、日本の企業をもう一度輝かせたいと思っています。「公」の概念を日本人が再定義し、「練度の高い正直さ」を武器にすることで、日本の株式会社は劇的に復活すると信じています。誰か木炭を足してくれる経営者がいれば、私が一生懸命あおいで点火させます。賛同者を増やして、日本各地にこの火を延焼させたいというのが私の願いです。
事業再構築にとって大事なこと
私が今回ご紹介した壁打ちコンサルでは、リアリズムとストイックさが経営者に求められると以前解説しました。これは、「公」の概念をベースに「正直さ」を持つことと同義だと思ってください。現実(リアル)から目を背けた正直などありませんし、己に規律(ストイック)がなければ「公」は生まれません。
壁打ちコンサルを入り口にして展開する事業再構築も、同じく「公」であり「正直」であることを求めます。ビジネスは究極のリアリズムであり、また成果を帰属させるための「公器」を必要としているのです。
最後に
事業再構築は、ご説明した通り会社によって取り組み方が千差万別です。ですので論点整理の手段として、壁打ちコンサルというサービスを提唱しました。ただ最初から事業再構築などと大げさに構えることなく、壁打ちコンサルそれ自体を気軽な診断サービスとしてお考えいただければ幸いです。
このシリーズは今回で最後ですが、今後も折に触れて壁打ちコンサルの実例などを紹介していきたいと思います。最後までご愛読いただきありがとうございました。
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